立川市(たちかわし)

柴崎(しばさき)/立川市柴崎町 
 
   
 ▲諏訪神社/弘仁2年(811)創建。平安時代初期、嵯峨天皇の時代です ▲普済寺山門/江戸時代初期の創建。昭和37年に茅葺き屋根を瓦屋根に改修 
尾張家の鷹狩り場でした
 戦国時代は小田原北条氏に属した立河氏の所領。普済寺が城館跡と推定されています。また甲州道中、五日市街道沿いの村落に過ぎませんでした。江戸時代は幕府領で村高は1000石を越える裕福な土地にまで発展しています。助郷は甲州道中の日野宿に出役しています。また徳川御三家の一つ尾張家の鷹狩り場でもありました。
新宿-立川間に鉄道開設で大きく発展します
 とはいうものの、立川が大きく発展するのは明治以降です。名主の板谷元右衛門の大規模な土地の寄付による鉄道の誘致運動によって、明治22年(1889)に新宿-立川間に甲武鉄道が開通しました。
●『柴崎村絵図』に描かれた古村
 それとは別に 享和4年(1804)発行の『柴崎村絵図』を見てみますと、普済寺を中心にこぢんまりとまとまった感じに描かれています。甲州道中は東側にやや迂回していますが、別に東西を江戸海道が貫いています。このころ、250~300世帯が 住んでいたようです。実際は絵地図以上に、かなり大きな村であったと思われます。
普済寺や諏訪神社周辺に“古村”の名残り
 いま柴崎町を歩いてみますと、古い邸宅の大部分が普済寺や諏訪神社の周辺に集まっています。このあたりは立川市でも“古村”と言われており、旧名主や旧豪農だと思われる旧家が点在しています。植栽や石積みで築かれた塀は、古村の美しい景観を保っています。
 感動度★★
もう一度行きたい度★★
交通 多摩モノレール柴崎体育館駅から徒歩15分