住之江区(すみのえく)

○安立(あんりゅう)/大阪市住之江区安立 
 
『万葉集』、『高野参詣日記』にも登場
 『万葉集』にも登場する名勝で、海岸沿いに松並木が続いていたそうです。で、安立という人が開墾したことが地名の由来とか。紀州街道に位置するため、多くの貴族たちは立ち寄りました。室町時代の三条西実隆の『高野参詣日記』にも松原のことを書いています。江戸時代は住吉村の一部で、住吉社領でした。
小町茶屋のヒットの仕掛け長い杓
 大坂の人たちに知られるようになったのは、街道沿いに笠松という大木があり、その近くに小町茶屋がありました。長い杓に茶碗をのせて、客に持ってくるのが珍しがられたことが大ヒット。考えましたね。

アーケード街にも古民家
 “安立本通り”という商店街があります。虫籠窓や格子のある商家、土蔵などがアーケード街にも多く点在しています。また駅周辺にも見られます。ただつながっていないので注意。
 
感動度★
 もう一度行きたい度★
 交通 南海本線住ノ江駅から徒歩10分
 
○浜口東(はまぐちひがし)/大阪市住之江区浜口東 
 
『東海道中膝栗毛』にも登場します
 古くからの門前町で、街道筋には料理屋さんも多く、『東海道中膝栗毛』にも登場します。江戸時代各所に分散していた遊郭を明治に入って整理統合を行い、数カ所に決めました。そのうちの1つ住吉は大正11年(1922)に大阪府から免許がおりました。それまで無免許の娼妓を一掃するためとか。
住吉大社の神事は花街がスポンサー
 もともと住吉大社の神事には、花街がスポンサーになっていたのも事実。その後変遷を繰り返し、戦後いったん復活します。そのころは娼妓150人、売春禁止法の成立とともに衰退し消滅します。

 住吉公園南側に隣接する住宅地の路地に、往時の面影がかろうじて見られます。 
感動度★
 もう一度行きたい度★
 交通 南海本線住吉大社駅から徒歩10分
 

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