町田市(まちだし)

小野路(おのじ)/町田市小野路町
 
   
▲小野路宿を通る鎌倉古道上ノ道に沿って、幾つかの旧家が残っています。それらの建物が、小野路宿の景観を保っているのです 
   
▲小野神社/天禄年間(972頃)に小野篁を祀ったのが始まりとされます  ▲小野路城址/都内で最も古いと言われる山城跡の一つ 
長さ480mもある宿場町
 古くは鎌倉街道上ノ道の宿場町でした。その長さは480mで、山間の地ではかなり大きな宿場と言えます。道の両側には約20軒ずつの家並みが続き、家屋の裏は山になっています。
徳川家康の柩(ひつぎ)が大行列で通過
 江戸時代、無名の一寒村が一躍その名が全国に知れ渡ります。それは元和3年(1617)に徳川家康の棺(棺桶)が駿河の久能山から日光に移す大行列がココを通過したからです。朝廷から「東照大権現」の神号と「正一位」が勅許されただけに、その行列は側近の天海僧正や老中・本多正純ら1300人を超える大行列でした。小野路宿は3月21日に通過。この道は「御尊櫃御成道」(ごそんびつおなりみち)と呼ばれるようになりました。
新撰組・近藤勇のゆかりの地
 中世の時代から名主であった児島家は、新撰組の近藤勇と親交が深かったようです。近藤勇は天然理心流の師範として、通算36回も剣術指導として訪れています。当時の稽古着や数多くの手紙などが残されており、それらは小島資料館(写真上)に保存・展示されています。
往時の雰囲気を感じることができます
 バスを降りて町並みを歩きますと、タイムスリップしたような感じに陥ります。道路は拡張されていますが、往時の雰囲気は残されており、すばらしい町並みを形成しています。 
感動度★★★
もう一度行きたい度★★
交通 小田急線鶴川駅から多摩センター行きバスで中宿下車すぐ
 
 三輪(みわ)/町田市三輪町
 
   
▲高蔵寺/足利家代々の祈願寺、シャクナゲの寺としても有名。歌人の北原白秋も訪れて七首の歌を残しています ▲廣慶(こうけい)寺/田んぼを横断した参道の光景は珍しい。参道には小型の鐘が108個並んでいます
古代・大和国三輪からの移住者で形成されたそうです
 古代の集落跡、瓦窯跡や横穴墓群などが点在し、古代人たちも住んでいた良好な土地だったと思われます。奈良時代、大和の国三輪から移り住んでそのまま定住。長い歴史を誇る地域でもあります。そのためか古い神社仏閣が多く、歩いていても見応えがあります。
高蔵寺は格の高い寺院
 江戸時代は幕府、旗本などいろいろ変遷はありましたが、高蔵寺は御朱印10石の寺格を持つ、力のある大寺でもありました。いまでも広い境内があって、四季折々の草木を耀かせています。ただ古民家は少なく、バス通りから一歩裏手の狭い道に点在するのみです。 
感動度★
もう一度行きたい度★
交通 小田急線鶴川駅からバスで上三輪クラブ前から徒歩5分
 
能ヶ谷(のうがや)/町田市能ヶ谷 
 
   
 ▲可喜庵/能ヶ谷の開拓に貢献した鈴木家の自宅。鈴木工務店が管理 ▲武相荘(ぶあいそう)/この地に疎開した白洲次郎邸。茅葺き屋根の母屋を好む 
   
 ▲香山園(かごやまえん)/美術舘と庭園で構成。瑞香殿は明治39年に改築 ▲妙行寺/天授元年(1375)開山。多数の仏像を所蔵。石段が極めて急です。 
戦国時代に紀州・田辺郷の豪商たちが開拓
 中世は直ヶ谷と書きましたが、荒野を開墾し平坦に直したからだそうです。で、小田原北条氏の時代になって能ヶ谷と直したとか。鎌倉時代、紀州の田辺郷の鈴木、夏目、神蔵、森などの豪商(士)たちがやってきて開墾したと伝えられています。江戸時代に入ると、幕府領、旗本知行地と変遷を繰り返します。
旧家が多く残り、歴史的にも見応えがあります
 古民家を探すのは至難の業、2回分けて探し回りましたが、遭遇できませんでした。ただ旧家は多く見られ、歴史的にも古い地域であるとわかります。
 感動度★
もう一度行きたい度★
交通 小田急線鶴川駅から徒歩20分
 相原(あいはら)/町田市相原町
 
   
▲JR相原駅周辺には、黒板塀や植栽に囲まれた旧家が残され、景観を保っている
   
▲青木家屋敷/幕末から明治の豪農屋敷として残されています。文久2年(1862)築 
武蔵七党の一つ・横山党の勢力圏
 平安時代末期、武蔵七党の一つ横山党はこのあたり一帯も勢力圏内でした。このときの領主は“藍原”二郎大夫と呼ばれたそうです。江戸時代は幕府領で、村高は450石前後で稲作より畑作が多かったとか。文禄3年(1690)に相原村は上・中・下の三か村に分離。しかし明治に入って相原村になりました。
相原の発展と青木家との深いつながり
 ところで、このころ名主でもあった青木家は、相原の発展に大きく寄与します。9代目青木正太郎は三多摩自由民権運動の指導者で、同時に事業家でもありました。JR相原駅の土地は青木家の所有で、横浜鉄道の発起人でもありました。この鉄道の開通で、相原地区は一気に発展していきます。いま歩いて見ますと、駅周辺に旧家と思われる黒板塀の続く大きな屋敷が見られます。青木家住宅もすぐ近くです。 
感動度★★
もう一度行きたい度★★
交通 JR横浜線相原駅から徒歩10分
 

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