湯本（ゆもと）／箱根町湯本
▲旧東海道沿いにある若干の古民家	▲早雲寺惣門/町の文化財指定です
●秀吉も愛した温泉は江戸庶民にも人気 　豊臣秀吉が小田原攻めの際、この地で陣を張り温泉に入ってご満悦だったとか。そのとき早雲寺で宿泊していたことがわかっています。江戸時代、江戸庶民は、お伊勢参りの講仲間と連れ添って箱根の湯治に出かけました。近場で楽しめることからたいへんな人気で、そのため小田原宿の旅籠業者は道中奉行に箱根湯本の宿泊禁止を訴えたが、却下されたそうです。 ●旧東海道沿いに古民家が見られます 　旧東海道沿いの温泉街でしたが，1951年に小田急電鉄の乗り入れで一挙に発展｡ところどころ木造建築の温泉宿が往時を偲ばせます｡また裏道にも古民家が散在しています｡地名は『新編相模国風土記稿』によれば温泉七湯のうち最初の湧出地であることから湯本となりました。古くは湯元とも書いたそうです。
感動度★ 　もう一度いきたい度★ 　交通　小田急箱根湯本駅から徒歩10分

塔ノ沢（とうのさわ）／箱根町塔ノ沢
▲福住楼/国の登録文化財	▲函嶺(かんれい)洞門/土木遺産
●徳川将軍への献上湯を汲み出された温泉 　古くは東之沢とも書きました。地名の由来は、塔ノ峰の下に開かれたことにちなむとか。塔ノ沢温泉は阿弥陀寺開山の上人が慶長10年(1605)に発見したといわれています。箱根七湯の一つで、湯治場らしく静かな温泉地だったそうで、大名や奥方が訪れることもあったそうです。徳川綱吉への献上湯を汲み出されたともいわれています。また水戸光圀，伊藤博文などの著名人が数多く訪れており，島崎藤村の小説『春』の舞台にもなった由緒ある温泉です。 ●登録文化財や土木遺産 　早川沿いに明治，大正時代の木造和風建築の老舗旅館が建ち並んでいます。いずれも文化財としての価値があります。もう一つ古い橋やトンネルも数多く残されています。これらは土木遺産として土木学会が選定したものです。 ●箱根駅伝でアナウンサーが絶叫する 　ちなみに箱根駅伝のコース沿いで、アナウンサーが絶叫するところです。函嶺洞門(かんれいどうもんは)はバイパスができてクルマは通行止めになっています。だから選手もバイパスを走ることになりました。
感動度★★ 　もう一度いきたい度★★★ 　交通　小田原駅からバスで塔ノ沢下車すぐ

宮ノ下（みやのした）／箱根町宮ノ下
▲旧道を入ると坂のある旅館街	▲富士屋ホテル/国の登録文化財
●富士屋ホテルが代表格 　江戸の庶民にも愛された湯治場です。ココも大名家や武家の湯治も行われました。明治初期に箱根の温泉開発の先駆的な役割を果たした山口仙之助は、藤屋や買収。そして富士屋ホテルに改名して、外国人専用のホテルに改築、開業しました。奈良屋と並んで、その洋風建築は近代的な温泉場としての性格を持つことになったのです。 ●裏道の路地に旧旅館街があります 　車道の開削も合わせて行われました。また周囲には古美術店や土産物店も異国的で古風な造りになっています。裏道の狭い坂道に入ると、旧来の旅館街があり、なんとなく親しめる雰囲気が漂っています。
感動度★★ 　もう一度いきたい度★★★ 　交通　小田原駅からバスで宮ノ下下車すぐ

元箱根（もとはこね）／箱根町元箱根
▲箱根神社/かつては箱根権現と称す	▲箱根旧街道/歴史の生き証人です
●神仏分離で、僧侶が神官に“転職・変身” 　旧元箱根村が箱根町と合併したとき，箱根宿と区別するために元箱根を残しました。一歩裏側に入るとやや古い民家が見られますが，いずれも戦後のものです。湖上の赤い鳥居が印象的です。もともと箱根権現(東福寺)の門前町として発展しました。しかし明治政府の神仏分離で大混乱。ここでも僧侶が神官に“転職”し、箱根神社へと改称するのでした。 ●箱根観光の出発地 　さて町並みは戦後の建物ばかりで、なんとなく“中古物件”という感じの寂れていました。でも観光船の発着所の周辺はにぎやかです。
感動度★ 　もう一度いきたい度★ 　交通　小田原駅からバスで元箱根下車すぐ

箱根（はこね）／箱根町箱根
▲旧箱根関所/復元で人気は高い	▲箱根駅伝ミュージアム
●人為的に開いた宿場町 　1618年（元和４年）に徳川幕府によって宿場が開かれました。時の松平政綱が幕府の命を受け山野を開き，三島宿と小田原宿から各５０戸づつ移住させ，人為的に箱根宿を開いたとされています。箱根はなんといっても関所が有名です。「入り鉄砲に出女」といわれるくらいで、特に箱根を越えて西へ向かう出女の監視はかなり厳しかったようです。 ●箱根は旅人の休息所でした 　町並みの大部分が土産物、飲食店です。もともと旅籠はなく、小田原宿か三島宿で泊まるのが普通で、箱根は旅人にとって休憩所でした。
感動度★ 　もう一度いきたい度★★ 　交通　小田原駅からバスで箱根町下車すぐ