旭区(あさひく)
○高殿(たかどの)/大阪市旭区高殿 | |
●京街道“七曲がり”のある集落 京街道沿いの集落です。歩いていて気がつくのは、意外に小さなカーブが多いということです。地図を見てもなだらかですが、クネクネと曲がっています。とくに4丁目付近ですが、これは「七曲がり」といって秀吉が大坂城築城の折、城の上から敵兵の様子を知るために、道を狭く蛇行させて造ったといわれています。 ●地名の由来は諸説あり 古い町並みは、7丁目付近や都島通り沿いにやや古い住宅が見られます。地名は昭和46年の住居表示改正で、新規に生まれました。由来は不明ですが、西側の高倉に隣接することや、秀吉の“殿”と合わせたのか、文字通り高い建物でもあったのか、あるいは見えたのか…。 |
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感動度★ もう一度行きたい度★ 交通 地下鉄谷町線関目高殿駅から徒歩5分 |
○森小路(もりしょうじ)/大阪市旭区森小路 | |
▲旧京街道が集落のなかを貫く。今は棟割り長屋が中心です | |
●地名は、榎の生い茂った森のなかの一本道…… 江戸時代は大坂藩松平氏領で、その後幕府領など変遷を重ねます。村高は650石前後で森林と農村地帯でした。明治9年の人口が326人で、大坂近郊としては小規模な部類に入ります。地名はこの辺りに榎が茂っており、そのなかを小道が通っていたからというそうです。もちろんいまは森はありません。いま京街道を歩きましたが、「京かいどう」と書かれた薄汚れた石碑が幾つか立っています。 ●古民家群は京街道の裏手に集中しています 周囲の町家のほとんどが2階家で、大阪独特の棟割り長屋。板壁のある旧家は京街道から一歩、裏道に入りますと塊となって存在します。早朝でしたので、通勤客もまばらで、静かな町並みでした。 |
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感動度★ もう一度行きたい度★★ 交通 地下鉄谷町線千林大宮駅から徒歩10分 |
○千林(せんばやし)/大阪市旭区千林 | |
▲門構えの旧家が実に多い | ▲蔵が続く光景は圧巻です |
▲迷路のような細道にも古民家 | ▲路地の奥にも旧家が目に付く |
●「大阪のおばちゃん」の買物天国 千林といえばスーパーダイエー(現イオン)の発祥の地でしられており、いまもいくつもの商店街や大型スーパーが林立しています。「大阪のおばちゃん」たちが京阪電車の定期券を買って買い物に来るぐらいで、大阪市内でも有数の一大商戦地区でもあります。その様子をテレビや新聞、雑誌でも紹介されています。 ●瀬林(せばやし)→千林に転訛説 その商店街の裏手に、これだけの古民家群があるとは想像もできませんでした。江戸時代は大阪藩松平氏領、幕府領と変遷。村高は870石余。このあたりは淀川沿いに森が続いていたとか。そのため川沿いの森林という意味から瀬林(せばやし)と呼ばれ、それが千林に転訛していったそうです。 ●密集度の高い古民家群 商店街の喧噪から逃れるように、一歩なかに入りますと、落ち着いた板塀や板壁の民家が密集しています。大型の蔵が続く家は旧家と思われます。また2階建ての棟割り長屋もあり、路地と相まっていっそうの密集度が高まっているのです。この辺りは戦災に遭うことがなかったからでしょう。 |
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感動度★★★ もう一度行きたい度★★★ 交通 京阪本線千林駅から徒歩8分 |